山東東営で「鯤」の姿を見せる鳥群、荘子の「逍遥遊」が現実に？ 驚きの自然奇観

shoushai.comによると，近日、中国山東省東営市の湿原で、数千羽の鳥が群がって飛翔する「鳥の波」が観測され、その形が荘子『逍遥遊』に描かれた巨大な魚「鯤」に驚くほど酷似していることで、中日のネット上で話題を呼んでいる。​

現地の目撃者が撮影した動画によると、夕暮れの空を舞う鳥群は瞬時に流れるように形を変え、約 100 メートルに及ぶ青黒色の輪郭が浮かび上がり、「北冥有魚、其名曰鯤」という古典的意象をそのまま再現した。中国のネットユーザーは「荘子が見た光景が本物だった」「自然が書いた漢詩」などの驚きのコメントを寄せている。​

この奇観の背景には、鳥類の集団行動に関する科学的メカニズムが隠されている。ローマ大学の研究チームが解明したように、鳥群には指揮官は存在せず、各個体が「近すぎると避ける」「方向を合わせる」「群れに寄り添う」の 3 つの単純なルールを守ることで、複雑な集団行動が生まれる。1986 年にコンピューター科学者クレイグ・レイノルズが開発したシミュレーションモデルでも、この 3 つの法則に基づいて鳥群の動きが再現されている。​

鳥類学者の分析によると、このような大規模な群れは主に天敵からの防御と餌の探索効率化を目的としている。鳥群は捕食者に対して「錯乱効果」を与え、個体が捕獲される確率を大幅に低下させると同時に、多数の目で広範囲を探索することで食物を発見しやすくする。東営湿原は東アジアの重要な渡り鳥の休憩地として知られ、毎年この時期に多くの水鳥が集まる。​